2010年10月14日

Day 5:Loreto~LaPaz

ツアー5日目。
いよいよ、ダートライディング最終日となってしまった。


朝。今日はライディング最終日。エンジンはかからない。さてどうするか。

いや、かからないわけじゃない。が、毎回牽引押しがけ?結構場所を選ぶんだよな。自力でエンジンかけられないと、荒野でエンストこいて一人取り残されたらヤバい。公道移動日ならサクッとあきらめるけど、折角のダートは満喫したい。仕方ない、キャブをイジるか。(最初にやれよ、という突っ込みはナシね。)
L字の先っちょがクルクル回るドライバーなんてある訳ないので、バンドを緩めて、キャブを横倒し。ASを1/4戻して、キャブを起こしてバンドを止め直して、コックをONにして、ガスは落ちたかな?・・・セル回す。かかりはないけど初爆っぽいものが。ちょっと改善したか? 1/2・・・そんなに変わらない?ここでmatzuさんのXR600仕込みキックでエンジンがかかった!おお!とりあえず3/4戻しでキック始動の成功率が高くなったので、このセッィングで行く事に決めた。ちなみに、セルはナンボ回してもかかる気配なし。

PEMEXでガス給油して、Loretoの街を後にする。国道に出てすぐ右折、ダートに入る・・・はずだったらしいが、メキシコの林道も舗装化の波が押し寄せているらしい。しばらく舗装が続く。


ツイスティな峠道をしばらく走ると、本日最初の観光スポットに到着。昨日見た壁画の本物があるらしい(昨日見た派手なのがズバリある訳ではない)。


歩いてすぐ見られるのはこんな感じ。葉っぱのレリーフかな。最初に絵を書こうって発想は、どういう過程で思いついたんだろう。紙や絵の具が用意されているわけでもないのに。大人がまじめに書いたのか、子供が遊びで書いたのか。ちなみに、ここには絵が他にもいくつかあった。2~30Kmぐらい行くともっとあるらしい。が、今日は世界遺産見学会ではないので次の目的地に向かう。


振り返るとずいぶん走ってきたんだな、と実感する。広場で休憩していると、ガスを補給してきたサポートカーと合流。いい加減慣れたが、ちょっとした広場には必ず牛か馬のフンが落ちてる。カチカチに固まったものから、かなりフレッシュなものまで様々だか、踏むまではどちらであるか分からない。キケン。


記念撮影をした後、次の目的地を目指す。が、走りだしてすぐ道を重機がふさいでいた。よく見ると、道が崩落している。バイクなら行けそうだが、サポートの車がここを通るのは無理そうだ。


あちゃー、これは2,3日で復旧は無理だな。


最初のアミーゴが無線で前方にいるアミーゴたちに連絡してくれて、バイクが通れるように片づけてくれるよう手配してくれたらしい。Muchas gracias.


崩落の先はずっとダートだった。もしかして、崩落じゃなくて舗装工事をしていたのだろうか。と今頃気付いた。

ライトの裏側にスターター(というか、紐)を装備しているが、今日は出番なし。450Xでのキック始動は525EXCやXR650みたいに上死点が分かりやすくないので、なかなかコツがつかめなかったが、ピストンスピードを稼ぐように速いキックがいいみたい。昔読んだマルカワレーシングのキックの流儀も今時のエンジンだとコツがつかみにくいが、応用の範疇だ。


バハカリフォルニア半島では国道以外の道はほとんどダートだったりする(偏見?)が、整備はしっかりとされており、走りやすい。日本でダートを見つければテンションも上がるものだが、メキシコではずーっとダートなので、いつの間にか高速道路を小人任せに走っているぐらいの意識レベルとなってしまう。時折、大きな石が地面に半分埋まってるようなところもあるので、ボーっとしているとシートにケツをはね上げられてスーパーマンを決めてしまう事になる。あぶねぇ、集中、集中。

写真提供:chicoさん(仮名)

農場の近くの水辺に馬がいた。もう野良馬が現れたぐらいじゃカメラを取り出したりしなくなってるオレ。道の反対側には牛の群れもいる。遠くにコヨーテが!と思ったら犬だった。



サンバヒエル教会はロレトの街からダートを50Kmほど走った所にある。延々と続くダートから突然、キレイに整備された白い参道が現れ、気分が高揚する。うまい演出だ。教会は300年ほど前に建設されたらしい。こんな山奥に資材を運ぶだけでも当時の苦労が伺える。ロレトからココまで途中に街などなく、この道はこの教会のために存在しているということだろうか。なぜココなんだろ。ちなみに、この道の先の舗装路までは60Kmほど(街まではさらに遠い)。途中に牧場があっただけ。100年ぐらい前の人まではここの教会の存在をどのように知ることができたのか不思議。


石造りの教会は今も風格のある姿で佇んでいる。


教会の参道にはお土産屋さんが並ぶ。きれいに整備されていて、南国のリゾート地のようだ。この先は川を何度も渡るルートで、5月のGWの時には通過にずいぶんと時間がかかったらしいので水を1本余分に買っておいた。休憩していると、お店の人からフルーツをいただいた。


ハリケーンの後なので心配していたが、川の水はほとんどなく、順調に進むことができた。途中、この旅で初のロードランナーを見れらてちょっと感激。ホントに足をクルクルさせて走ってるー!


地平線まで続くダートもいよいよココで最後かぁ。



XR650のmatzuさんと走る。改めて動画を見返してみたけど、なんだかもう本当に行って走ってきたのか、夢を見てたのかよく分かんなくなってくる。


ダートの最後でみんなと記念に一枚。太陽がまぶしい国だ。


ダートが最後と言っても、今日の目的地であるLaPazはまだまだ先。ひたすら移動なのである。


舗装路の移動もドッカリと座って乗っていては尻の皮が何枚あっても足りない。ケツが痛くなる前にスタンディングして、足が痛くなる前に座る。この繰り返し。


最後のダートの後、オプションで1本ダートを走ることになった。本林さんからオプションで走らせると怪我する人がいるから気をつけて、と念を押されたが、こんな道を用意しておいて気をつけろって言われてもねぇ。ゴキゲンなこの道、バンクも高め、イヤッホォーイ!となるのをグッとこらえ、ほどほどに楽しんできました。GoProは電池切れで動画なしです。思い出は自分だけのもの。

オプションも無事?こなして、再びLaPazの街を目指す。辺りの風景も荒野の夕焼けから、いつの間にやら辺りは真っ暗になっていた。意識もおぼろげに淡々と走り続ける。すると、人工的な明かりが視界いっぱいに広がってきた。La Pazの街だ。ずっと真っ暗な中を走っていたので、街の明かりが見えた時は感激した。街に入ると人や車が多く、戸惑いを覚える。すっかり田舎暮らしが板についたようだ。街並みは熱海のイメージかな。熱海よりは人が沢山いるけどw


車のディーラーもたくさんある大きな街、La Pazで今夜泊まる「Hotel Perla」はラパスに初めて建設された歴史のある宿らしい。ビーチの目の前、最高のロケーションにある。着替えの前にバイクをトレーラーに載せた。手伝ってください、って言われたけど結局大汗かいたのはオレじゃんかw
シャワーを浴びて、さっぱりした後はラパスの街で食事。いよいよ念願の「ラパスでテカテ」をキメられる!と思ってたのに、なぜかこの店にはテカテを置いてなかった。ナンデヤネン。あちこちテカテの看板だらけなのに。

宿に戻った後もしばらくテラス席でのんびり。ついに迎えてしまった最終日のせいか、テンションも高め。疲れているのにツアーの参加者と夜更けまで話し込む。海辺の風が気持ちいい。もっとラパスの夜を満喫したかったけど、さすがに疲れたよ。部屋に戻ったら翌朝起こされるまで爆睡。


GPSログによると本日の走行距離382Km。


日本に帰ってからも、ふとした瞬間に独特なメキシコの香りを思い出す。
ダート天国バハカリフォルニアはもちろん最高であったが、日本も素晴らしい国だなと改めて感じる今日この頃。
今度はサルに会いに行くか。 
再びバハカリフォルニア半島を走ることを夢見つつ・・・(メキシコ編おわり)

3 件のコメント:

さとう さんのコメント...

やっと感動の最終回を迎えましたね。
コヨーテ発見でなくて残念!受けました。
私も一緒に行ったような気分になって楽しませていただきました。
ありがとうございます!

たけガス さんのコメント...

初コメのたけガスです。(from さとうさんトコ)
見ているこちらまでフリーダムな気分になれました♪長編レポート感謝です。

fun2ride さんのコメント...

長編にお付き合いありがとうございますw

よかったですよー、バハカリフォルニアは。チャンスがあったら、じゃなくて積極的に行くべきだと思います。

長編な割に肝心なところが書いてなかったりするのですが、それは行った人だけのお楽しみ。是非行って確かめてきてください。